会長挨拶
会長挨拶
建設未来協議会 会長 大曽根 理一郎
本会は1993年(平成5年)に設立され、その目的として「建設業に従事する次代を担う経営者が魅力ある建設業の創造と地域の発展に寄与すること」と定めました。社会環境は設立当時と現在では大きく変化しておりますが、その目的は変わることなく、むしろ我々建設産業の最も重大な活動目的となっています。今日、我々建設産業の最も重大な課題の一つが後継者の確保、労働力の確保です。人口減少、労働人口の減少の中、他の産業に見劣りする労働環境を改善しなければこの課題は絶対に解決出来ません。魅力ある建設産業を実現する為に、国交省が策定した“働き方改革”の3つのテーマである「長時間労働の是正」、「適正給与・社会保険のミニマムスタンダード」、「生産性の向上」にしっかりと取り組んでいかなければ我々の産業は“選ばれない”のです。良い労働環境は良い人材を採る為の前提条件です。出来ない理由を考えるのではなく、どうしたら出来るのかを皆で考えなければなりません。それこそが「魅力ある建設業の創造」を実現させるのではないでしょうか。
今年は2011年に発生した東日本大震災(M9)から8年が経過し、2月26日には政府の地震調査委員会が東北地方の太平洋沖で起こる海溝型地震について、今後30年間で起こるマグニチュード(M)7クラス以上の地震予告を発表しました。それによると先の大震災級の発生確率は「ほぼ0%」としたものの、茨城県沖でのマグニチュード7前半の発生確率は80%とされ、この規模は「阪神・淡路大震災」や「熊本地震」などに匹敵します。また、経済の発展や生活の質の向上に大きく貢献する社会インフラの老朽化が社会問題となっており、膨大な量のインフラの老朽化が社会問題となっており、膨大な量のインフラの高齢化が急速に進んでいます。日本全体では2033年に道路橋では約63%、河川管理施設では約62%が建設後50年を経過し、今後はこれらの保全が重要な課題となっており、災害への対処も含め、ますます我々建設産業の重要性が増してまいります。その一方、2021年度以降の建設投資の急減を懸念する声もあり、先の労働環境の改善と並行して、経営環境の強化も重要な課題であり、今後は産業構造の改革も含めた議論が求められ、地域企業の経営環境の安定を図らなければなりません。それが延いては緊急時の災害対応や、適切なインフラの維持につながり、「地域の発展に寄与」するのではないでしょうか。
本会は各委員会・地区会を通じ、関係機関との意見交換、講習会、さらには地域貢献活動、これらの広報活動などを積極的に行ってまいります。また今年は「平成」から「令和」へと新しい時代を迎えました。「令和」の意味するすばらしい時代となる様に、目的を見据え会員一丸となって様々な課題解決にも取り組んでまいります。最後になりますが、今年度も本会の運営に対し、協会本部、会員の皆様、そして関係諸団体の皆様方のご支援、ご指導を賜りますよう心からお願い申し上げます。